なかなかニキビが治らない原因はこれだった!

毛穴に皮脂が詰まり、それを栄養源として毛穴に生息する常在菌などが増殖すると炎症が起こります。この炎症が起きた状態がニキビです。ここでは、どのような理由で毛穴に皮脂が詰まってニキビへと繋がるのか解説します。

皮脂の過剰分泌

ニキビを改善、予防するためには、まずは皮脂の過剰分泌を防ぐ必要があります。皮脂が毛穴に詰まっても、自然に排出されることがほとんどです。しかし、毛穴に多量の皮脂が詰まると、排出しきれなくなり、ニキビへと繋がる可能性があります。

乾燥やホルモンバランスの乱れなど、様々な原因で皮脂が過剰に分泌されるようになります。皮脂の過剰分泌の原因を確認しておきましょう。

思春期

思春期になると、自然にニキビが増える傾向があります。これには、思春期ならではの変化にともなう皮脂の過剰分泌が関係しています。詳しくは、12「思春期ニキビについて」をご参照ください。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスが乱れることで、皮脂が過剰に分泌されるようになります。男性ホルモンも女性ホルモンも皮脂の過剰分泌に影響を及ぼします。それぞれ、どのようなホルモンがどのようなメカニズムで皮脂の過剰分泌を招くのかみていきましょう。

男性ホルモン
男性ホルモンが過剰になると、皮脂の分泌も過剰になります。男性ホルモンは男性だけではなく女性も持っているため、女性ホルモンが低下して男性ホルモンが優位になったときに影響が現れることがあるのです。男性ホルモンには、テストステロン、テストステロンが変化したジヒドロテストステロン(DHT)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)など様々な種類があります。
女性ホルモン
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンがあり、皮脂の過剰分泌にはプロゲステロンが関係しています。プロゲステロンは男性と似た構造をしているため、身体に同じような影響を及ぼすのです。プロゲステロンが増加する生理周期後半に皮脂の分泌が過剰になり、ニキビができやすくなります。なお、男性もプロゲステロンを持っていますが、男性においてプロゲステロンの影響でニキビの悪化がみられたという報告はありません。

乾燥

一見、肌の乾燥は皮脂の分泌に繋がらないように思えますが、実は乾燥が皮脂の過剰分泌に大きく関係しているのです。皮脂は、肌を刺激から守るバリア機能、肌の水分の蒸発を防ぐ働きを持つので、皮脂が少ない状態では乾燥しやすくなります。

肌が乾燥すると、バリア機能を保とうと身体が働き、皮脂が過剰に分泌されるようになるのです。

バランスの悪い食事

食生活も皮脂の過剰分泌に関係しています。具体的に、どのような食生活が皮脂の過剰分泌に繋がりやすいのかみていきましょう。

動物性脂肪の摂り過ぎ
皮脂の過剰分泌に繋がる男性ホルモンは、コレステロールを材料としています。コレステロールは、動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸によって増加するので、普段から動物性脂肪を過剰摂取していると、結果的に皮脂が過剰分泌されてしまうのです。肉類に限らず、乳製品や卵類にも動物性脂肪が含まれるので、摂り過ぎに注意しましょう。
なお、植物性脂肪は皮脂の過剰分泌を招かないので、動物性脂肪と一緒にバランスよく摂ることが大切です。
糖質の摂り過ぎ
糖質を代謝するためには、ビタミンB1とB2が必要なのですが、このうちビタミンB2には皮脂の分泌をコントロールする働きがあります。そのため、糖質を過剰摂取することでビタミンB2が体内から失われてしまうと、皮脂の分泌をコントロールできなくなり、過剰分泌を招きます。
また、代謝しきれなかった糖質は中性脂肪として身体に蓄積されます。実は、中性脂肪は皮脂としても排出されるので、皮脂の過剰分泌に繋がるのです。
糖質は、米やパン、麺類、甘い菓子類やジュースなどに多く含まれています。
高GI食
GIは、Glycemic Indexの略称で、食後の血糖値の上昇具合を表す指標です。GI値が高いものほど食後血糖値の急激な上昇を招きます。特に、GI値70以上の食品は高GI食と呼ばれ、血糖値を下げるインスリンを分泌するすい臓に大きな負担をかけます。インスリンには、男性ホルモンの分泌を促す働きがあるため、高GI食の過剰摂取が皮脂の過剰分泌に繋がるのです。
ビタミンB群の不足
ビタミンBは、様々な栄養素の代謝をする働きがあります。ビタミンB1は糖質の代謝、ビタミンB6は脂質の代謝、ビタミンB2は糖質と脂質の両方の代謝に関わっています。ビタミンB2とB6には皮脂の分泌をコントロールする働きがあるため、これらの栄養素が不足すると、中性脂肪の蓄積と皮脂の分泌のコントロールの低下という2つの理由で皮脂の過剰分泌を招きます。
なお、ビタミンCにも皮脂の分泌をコントロールする働きがあるという意見がありますが、根拠のある研究結果は存在しません。なお、ビタミンCを皮膚に浸透しやすいよう改良したビタミンC誘導体入りの美容液などを使用すると、皮脂の分泌を抑えることができることに関しては、事実です。

過角化(ハイパーケラトーシス)

肌の最も外側にある表皮は、新陳代謝によって生まれ変わりを繰り返しています。これをターンオーバーというのですが、ターンオーバーのサイクルが乱れると、不要な古い角質がうまく剥がれ落ちず、皮膚に張り付いてしまいます。その結果、肌の角質が厚くなる「過角化(ハイパーケラトーシス)」という現象が起こるのです。

過角化が毛穴の周りに起こると、厚い角質によって毛穴が塞がれてしまい、皮脂が過剰分泌されていなくても毛穴が詰まりやすくなります。

また、過角化の逆である「錯角化(パラケトージス)」は、過度なピーリングや洗顔、炎症を伴う皮膚の病気などの要因で起こります。錯角化とは、角質が異常に薄くなることで、新陳代謝が異常に促進され、未成熟の角質細胞ができる状態です。錯角化した肌はバリア機能が低いため、外部からの刺激や乾燥などの要因で炎症が起こりやすく、ニキビを悪化させる要因となります。ただし、錯角化がニキビの「原因」になるとの指摘はありません。

乾燥

皮脂が失われて肌が乾燥すると、バリア機能が低下します。その結果、角質層に隙間ができて、そこから外部刺激が皮膚へと届きやすくなるのです。肌が刺激を受けると皮膚のターンオーバーが遅れて過角化が起こり、ニキビへと繋がります。また、外部刺激を受けてもトラブルが起こりにくいように肌を厚くしようとして、過角化が起こるとも考えられています。

紫外線

肌のバリア機能が低下している状態で紫外線を受けると、紫外線が皮膚の内部に容易に侵入します。その結果、皮膚の内部に有害物質が作られてしまいます。その有害物質から身体を守るために活性酸素が発生します。活性酸素は身体を守るためのものですが、紫外線を長期的に浴びていると、活性酸素が過剰に作られてしまいます。

過剰な活性酸素は皮膚細胞までも破壊してしまい、肌の老化や炎症を引き起こすのです。その結果、皮膚のターンオーバーが遅れて過角化が起こります。

睡眠不足

皮膚のターンオーバーには、成長ホルモンが必要です。成長ホルモンは、入眠から約3時間までのノンレム睡眠中に多量に作られます。ノンレム睡眠とは、深く眠っているときの睡眠で、レム睡眠は眠りが浅い状態です。

睡眠時間が短い、深い睡眠をとることができないと、ターンオーバーが乱れて過角化が起こるのです。また、睡眠不足や睡眠の質の低下は、ホルモンバランスの乱れにも繋がります。ホルモンバランスの乱れは過剰な皮脂分泌を招くため、ニキビができやすくなります。

ストレス

ストレスを受けると、副腎皮質からコルチゾールが分泌されます。コルチゾールは、ストレスに抵抗するためのホルモンです。このコルチゾールには、男性ホルモンの分泌を促す働きもあるため、ストレスを継続的に受けてコルチゾールの分泌が増加すると、男性ホルモンの過剰分泌に繋がります。男性ホルモンは過角化と皮脂の過剰分泌を招くため、ニキビのリスクを大きく高めます。

なお、コルチゾールが分泌・分解される過程で活性酸素が発生し、肌が炎症を起こしやすくなるため、ストレスはニキビの悪化にも繋がります。

栄養素の不足

過角化は、栄養素の不足によっても引き起こされます。どのような栄養素の不足が問題となるのかみていきましょう。

タンパク質
タンパク質は、皮膚だけではなく骨や毛髪なども構成しています。タンパク質が不足すると、皮膚がうまく作られなくなり、ターンオーバーが乱れて過角化に繋がります。
必須脂肪酸
細胞膜は脂質で構成されており、脂質の材料の一つが必須脂肪酸です。必須脂肪酸が不足すると、細胞が正常に生まれ変わらなくなるため、ターンオーバーが遅れて過角化に繋がります。
ビタミンA
硫酸コレステロールの影響を受けて皮膚のターンオーバーが遅れます。ビタミンAには、硫酸コレステロールの合成を押さえる働きがあるため、ビタミンAの不足はターンオーバーが遅れることに繋がります。その結果、過角化が引き起こされるのです。
ビタミンB群
ビタミンB2とB6には、皮膚のターンオーバーを促す働きがあるので、これらが不足するとターンオーバーが遅れて過角化が進みます。
ビタミンC
ビタミンCには、活性酸素による肌への影響を抑える働きと、皮膚のターンオーバーを正常に保つのに役立つコラーゲンの生産を促す働きがあります。そのため、ビタミンCが不足すると、皮膚のターンオーバーが遅れ、皮膚が活性酸素の影響を受けやすくなり、ニキビのリスクが高まるのです。
ビタミンE
血流をよくする働きがあるため、新陳代謝に必要な栄養を全身へと届けてターンオーバーを正常化する効果があります。ビタミンEが不足すると、血行が悪くなり、過角化が起こりやすくなります。
亜鉛
細胞分裂を促すことで新陳代謝を活発にする働きを持ちます。また、新陳代謝に必要な酵素の主成分でもあるため、不足すると新陳代謝が低下し、過角化に繋がります。同時に、ニキビも治りにくくなるのです。

化粧品

クレンジングをせずに寝てしまったり、十分にクレンジングができていなかったりすると、化粧品の成分が毛穴に詰まってしまいます。また、オレイン酸やイソプロピルイソステアレートなどの成分が毛穴に詰まりやすいので、これらの成分を含む化粧品を避けることをおすすめします。

油分

化粧品に含まれる油分は毛穴を詰まらせる原因となります。肌への密着性を高め、仕上がりをよく見せるためのものであるため、リキッドファンデーションやコンシーラーなどに多く含まれています。ミネラルオイルの他、前述したオレイン酸やイソプロピルイソステアレートなどが該当します。

ウォータープルーフ

汗や皮脂で落ちないよう、シリコンが含まれている化粧品があります。このような皮脂や汗に強い化粧品のタイプをウォータープルーフといいます。皮脂や汗に強いということは、クレンジング剤にも強いということであるため、十分に落としきれずに毛穴を詰まらせてしまうことがあるのです。

大きな角栓

角栓は、コメドともいい、毛穴の剥がれかけた角質と皮脂や汚れ、化粧品の成分などが混ざって酸化し、毛穴を詰まらせたものです。角栓は、上記に挙げたホルモンバランスの乱れや食生活、栄養不足など全ての要因で発生します。

なお、角栓は健康な状態でも発生します。細菌や異物が毛穴に入り込まないようにする働きも持つため、必ずしも排除すべきとは限りません。ニキビに繋がる角栓は、毛穴を完全に閉塞させてしまう大きな角栓です。定期的なピーリング、正しいスキンケアなどで大きな角栓が発生しないようケアしましょう。

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